『循環器ハンズオン&レクチャー』に参加して~くまのこ検査技師塾・秋の特別セミナー参加レポート!―AMハンズオン編―

こんにちは、臨床検査技師兼ライターのサユコです。
去る9/14(日)の朝、私は世界陸上と時を同じくしてセミナー会場に到着しました。
…そう、目的は秋の特別セミナー『循環器ハンズオン&レクチャー』に参加するため!
結果として、非常に有意義で濃厚な1日を過ごすことができました。
今回は『循環器ハンズオン&レクチャー』セミナーレポートをお届けします。
(タイトルバナーのプローブはコンベックスっぽいですが、セクタっぽい素材が発見できませんでした…見逃してくださいませ。)
「ぜひ受けたい!」と思った豪華セミナー
夏の猛暑日。「秋の特別セミナー」として、くまのこ検査技師塾から丸一日ぶっ通しの心エコーセミナーが開催されるとお知らせがありました。
それが日本を代表するスーパーソノグラファーの先生方から直々に教えていただける、滅多にないチャンスだったのです。
講師の先生紹介として、学会発表などでもおなじみのお名前が。
西尾 進先生(徳島大学病院 心エコー図学会認定専門技師)
中島 英樹先生 (筑波大学附属病院 心エコー図学会認定専門技師)
有吉 亨先生 (山口大学医学部附属病院 心エコー図学会認定専門技師)
特に西日本にいらっしゃる先生は、学会でもない限り関東ではお会いできません。
これは参加!!すぐに申し込みだ!!!
…と言いたいところでしたが、申し込むにしても“初心者から一歩先へ”という今回のテーマ。私は「力不足だからちょっと無理かもしれないな…」と迷っていました。
私の前提条件:
普段は健診メインで、心エコーはほぼオーダーが出ない。でも二次検診などで全く検査しないということはない…という中途半端な立ち位置で日々モヤモヤを抱えている。
圧倒的に検査経験が不足している故、勉強の機会は逃さずにいたい。
こんな状態でスーパーソノグラファーの先生方のセミナーを受けていいものなのか。
でも、常日頃から「この万年心エコー初心者状態を脱出したい」と思っている私。
不安に感じて事前に事務局に相談させていただきました。
その結果、「やる気があればOK」とあたたかく受け入れて下さって参加が実現したのです。
午前の部:スーパーソノグラファー直々のご指導!ハンズオンセミナー
9時半。
くまのこ検査技師塾代表の熊木さんの挨拶の後、早々にハンズオンセミナーが開始しました。
受講者がそれぞれの課題を相談し、アドバイスいただける大変貴重な時間。
どのグループの講師の先生方も心エコー界のトップランナーでいらっしゃる、超豪華ハンズオンセミナーです。
1グループ4名、10分×4名+予備10分で1人ずつレクチャー。休憩後、ご指導いただく先生を交代して、更に10分×4名+予備10分、と、2時間半の時間を設けられていました。
なんと、2名の先生にレクチャーしていただけるという豪華すぎる時間でした。

私は、普段あまり心エコーに携わっていない似たようなメンバーと一緒のグループに配属されました。
始めにご指導いただいたのは西尾先生です。
学会で拝見したことはありますが、まさか実際に目の前にいらっしゃってご指導いただけるチャンスがくるとは思っていませんでした。(しかも心エコーを)
先生がお手本を見せて下さった後、いざ実践!

「これは特に大事にしてほしい」というポイントとして、左室長軸断面と計測、TRの評価についてご指導いただきました。(左室長軸像から短軸像を描出する、「心エコーのレベルはこの断面の出し方を見るだけでわかります」とのこと!)
プローブの持ち方のコツから計測時の注意点など、受講者のレベルに合わせてわかりやすく教えていただきました。
具体的なアドバイスや指示で、1人1人にどこをどう改善すべきかのポイントのレクチャー。他の人の指導中もメモが止まりません。
正直とっても緊張したし、「本当に初心者レベルの自分が習っていいんだろうか」と思わなくもなかったですが、次にあるかわからないせっかくのチャンス。
無駄にせずに全身を耳にすべき、1つでも持ち帰って明日からに活かすべき、と受講生一同真剣に取り組みました。
前半が終わった休憩時間にも、自分が課題としていることをご相談し、アドバイスをいただけました。
休憩時間にもかかわらず、真摯に耳を傾けて下さった先生には本当に感謝しています。

後半は、ご指導いただく先生が筑波大学附属病院の椎名 亮揮先生に交代になってハンズオンの続きです。
先生も心エコー図学会認定専門技師でいらっしゃるプロフェッショナル。

椎名先生には、前半から続いて心尖部像と左房径、肺静脈血流の計測についてご指導いただきました。
「トレースの時に気を付けるのは…って、この機械だとオートトレースでできちゃいますね!精度もいいし!笑」と笑いも混じえながら実践です。
TRの計測のコツ、左室流出路の描出などを丁寧にアドバイスして下さいました。
最初は「2時間半って長いな」と思っていましたが、体感時間は一瞬で終了!
休憩10分の間も、ハンズオンが終了して昼休みに入っても、熱心に質問する受講生と真剣に答えて下さる先生方の姿が印象的でした。


指導法にも学ぶところがたくさんあった
先生方にご指導いただく中で、心エコーの手技だけでなく
- 相手のレベルに合わせて指導法を変える大切さ
- 手技を具体的にレクチャーするにはどのように言語化するとわかりやすいのか
も改めて学べました。
エコーのプローブ走査は感覚的な部分も大きいのですが、再現性が持てるように相手に伝える方法のヒントも教えていただけました。
(具体的にどのような指導かは…ぜひ今後チャンスがあれば実際にセミナーを受けてみてください!)
午前中だけでも大満足でしたが、お昼休憩を挟んで座学3本立てに続きます。
長くなってしまったので、座学編は後半に続きます!


