臨床検査技師がクリニックでも輝ける理由とは?
臨床検査技師は様々な医療機関、大手企業でも働くことができる職業です。
最近では病院だけではなく、診療所やクリニックでも活躍する姿が増えてきました。
そんな僕も、街のクリニックで働いています。
大きな病院のように珍しい疾患や、たくさんの症例に出会う機会は少ないですが、充実した毎日を過ごせてます。
僕は、臨床検査技師こそクリニックで輝ける職業だと思っていて、
今回はこのテーマに沿ってお話をします。
臨床検査技師って実は色々なことができるんだぞー!
クリニックで行う検査は臨床検査技師でほぼ全てまかなえる
臨床検査技師の仕事は大きく分けて「検体検査」と「生理機能検査」があると思いますが、
クリニックでも規模によっては、制限はありながらも大まかな検査をすることが可能です。
クリニックは臨床検査技師ではなく、看護師が検査を担当している施設が多いです。正直、それでもまかなえてしまうのが現状だからでしょう。
しかし、ここは検査のプロである臨床検査技師がやるべきだと思っています。
検査技師なら、
データ値の解釈など、看護師よりも確実に医師に伝えることができるはず。
「検査を行う理由」も、臨床検査技師が医師のかわりに患者に詳細な説明をすることができるので、医師の労力負担も軽減されるはずなのです。
看護師も検査に手を回す必要がなくなるし、
本来の業務である診察介助などに集中できるようになります。
ただし、レントゲン撮影は医師と放射線技師しかできません。
看護師や検査技師は法律的に撮影できないので気をつけてくださいね。
超音波検査は最強の矛になる
生理機能検査である超音波検査(エコー検査)は、特にクリニックでは重宝されます。
僕もエコー検査が好きで、多くの時間を研鑽に費やしてきたし、疾患の重症度にかかわらず患者さんの病気も数えきれないくらいに見つけてきました。
心電図や呼吸機能検査も臨床検査技師の仕事ですが、
クリニックにおいて、超音波検査が得意な方は輝ける大チャンスなのです!
医師が診察をしている間にも、保険点数を稼ぐ事ができる
エコー検査は、診察とは別の部屋で患者を検査をする事ができるので、
医師が他の患者を診察している間に、医療点数を稼ぐ事ができるのです。
このメリットは非常に大きいと思います。
例えば、需要が高まっている「頸動脈エコー」の保険点数で考えていきましょう。
頸動脈超音波検査の保険点数
超音波検査(その他):350点 パルスドプラ法加算:180点
合計:530点
保険点数は1点10円になりますので、頸動脈超音波検査は5300円(自費の場合)となります。
たとえば、予約制で1日10人検査をして1ヶ月25日で計算をしてみると、
5300円×10人×25日=1,325,000円
一人の臨床検査技師だけで月100万円以上を収益化する事ができるのです。
これは院長にとっても、デメリットはほとんどないはず。
ここに再診料や諸管理料も加算されるので、医院貢献度が非常に高いという事がわかりますよね。
エコー検査で患者の命を救う事ができる
医療従事者としての利点を説明します。
それは、エコー検査で「患者の命を救う事ができる」という事です。
クリニックや診療所だと、CTやMRIなどの大きな精密機器がない事がほとんどだと思います。
その環境下で大活躍するのがエコーを扱える臨床検査技師です。
経験談でお話しをすると、穿孔して腹膜炎を起こす直前の虫垂炎、
急性胆嚢炎や腎細胞癌などを疑い、エコーで診断する事ができました。
クリニックや診療所は“一次医療の末端医療機関”と言われることもあります。
臨床検査技師が検査をし、医師がきちんと診断した状態で、しかるべき医療機関にコンサルトする事ができるのです。
後日、患者さんが「あなたが病気を見つけてくれたおかげで助かりました。」と、お礼を受けることも少なくありません。
この瞬間は、本当に臨床検査技師でなって良かったと思える瞬間ですよね。
超音波検査は医院の経営的にも、患者のためにも非常に重要な武器になるのです。
採血もする事ができる
臨床検査技師は採血もする事ができるので、医師から採血オーダーを受けても
看護師は診察介助に専念、看護師の労力軽減をする事ができます。
僕は臨床検査技師が一番採血がうまいと思っているので、
看護師の負担ができるというよりも採血は検査技師がメインの業務と考えています。
ただし、点滴や注射はできないのでその時は、看護師さんにバトンタッチをしましょう。
悔しいですけどね。採血もある場合はルートは確保しておくのも良いですね。
クリニックでの検体検査はお任せあれ
近年、クリニックや診療所でも精密な検体検査をする事ができるようになってきました。医療機器の発展は本当にすごいです。
近年ではPCR検査も開業医で行える機会も発売されました。
血算やCRP(炎症反応)などの測定に始まり、HbA1c測定や尿アルブミン値なども数分で結果を出す事ができます。
顕微鏡を使い、白癬菌をKOHで確認する検査手技も検査技師が行うこともできるし、
ドライケムを使った生化学データも調べることも可能です。(コスト高いですが)
看護師も検体検査をする事ができますが、病棟や病院外来ではやっていなかった事がほとんどなので、苦手意識が非常に強いです。
そこは僕たち臨床検査技師の出番です。
インフルエンザやcovid-19(PCR、抗原など)を調べる時に行う鼻咽頭拭いも検査技師が採取する事ができます。
クリニック内の検体検査は、検査のプロである検査技師に任せて欲しいと思います!
まとめ
臨床検査技師がクリニックで輝ける理由についてお話しをしました。
とくに超音波検査ができる技師が重宝されます。
以前、医師から「臨床検査技師がいなくても十分なクリニック経営はできる。」と言われた事があります。
しかし、検査技師を雇用しているクリニックの院長に話を聞くと、「臨床検査技師こそクリニックの要になっている」と言ってくれる医師もいます。
開業すれば儲かると言う話は遠い過去の話。
今は他のクリニックとの差別化がとても大切になってきています。
クリニックで臨床検査技師が働くということは医療診断レベルの向上にもつながるだろうし、何よりも患者への対応が大きく変わります。
そして収益もググッと上がるはずです。
この時点で他のクリニックとの差別化の一つになるはずです。
“そんな差別化ができる臨床検査技師をあなたが担う”かもしれません。
これからクリニックや診療所で働こうと思っている方は、
ぜひ自信を持ってどんどんアピールしてくださいね!
転職先をクリニックで働きたいと考えている人がいましたら、ご連絡ください。
お答えできる事がたくさんあると思います。
今回はこの辺で。