臨床検査技師の給料はどのくらい貰えるのか?
臨床検査技師の給料や年収はどのくらいなのか?
高いのか。それとも低いのか。
知りたい人、多いですよね?
今回は世に公表されているデータと、僕の給与の推移も照らし合わせながらお話をします。
今記事のデータは厚生労働省の厚生労働統計一覧(賃金構造基本統計調査)が出典ソースです。
充実したQOLを実現するために、やっぱり給与は大切です!
欲しいものがありすぎるぜ〜!
検査技師の平均収入は461万円です
最新の統計データを見ると38.7歳の検査技師の平均収入は461万円となっています。
これを12カ月、ボーナス年2回(各1カ月分)として計算してみると、
月収:32.9万円 賞与:65.8万円
と算出できます。
この数字を見て、「自分の方が低い」とか、「自分の方が高い」とか、
人それぞれ感じることが違うはず。
日本の平均年収は432万円と言われているので、平均よりはやや高いという結果になってはいます。
率直に言うと、
めちゃくちゃ高収入ではありませんよね。
このデータはあくまでも平均なので、
上を見れば年収1000万円以上を貰っている検査技師もいれば、
平均年収よりも貰っていない方もいるという事です。
男女差もあるのが現状です
また男女でも差が出ていることが統計データを見ても明らかになっています。(下図参照)
同じ38.7歳であっても、勤続年数によって、給料の昇給に影響が出ています。
女性の場合は結婚をして産休に入っている間に、差がでてしまうようです。
<男女別 平均年収(38.7歳)>
平均年収 | 平均月収 | |
男性 | 501万円 | 34万円 |
女性 | 445万円 | 30万円 |
【出典:厚生労働省の厚生労働統計一覧(賃金構造基本統計調査)】
就業する施設形態にも影響がでます
病院や検査センターで働く臨床検査技師の場合、夜勤があります。
夜勤は回数に応じて、手当がつくのでクリニック、診療所、検診センターと比較すると給与が増えます。
僕も夜勤やオンコール(時間外の呼び出し)などの経験がありますが、
身体に負担がかかりましたね。
自分のやりたい事と年収を天秤にかけながら、職場を決めなければなりません。
臨床検査技師の初任給はどのくらいか?
僕が新人だった頃の給与を参考までに載せておきます。
正直に、初任給は18万ほどで手取りで15万前後くらいだった気がします。
初めてもらう給料だったので、特に何も思いませんでしたが、
今思うと薄給だったとしみじみ思います。
僕は薬学部を2年通ったあとに専門学校を卒業し、24歳になる年が新人デビューでした。
休日は月8日くらい。
休みが少ないのでなかなか辛かったですが、
新人だったので、仕事を早く覚えたい一心で頑張っていました。
また【大卒】と【専卒】で基本給が1万くらい差があり、同期は僕より年下なのに、給与が高くて羨ましかったです。
(ちなみに大学(4年制)と専門・短大(3年制)の違いについてはこちらの記事をお読み下さい。)
平均初任給は20万前後と言われています。
きっと僕の場合は、下限だったのでしょうね。(悲しい。。。)
では、次のトピックで20代の平均年収のデータを見てみましょう。
検査技師の20代平均年収
令和元年の統計データなので最新情報となっています。
20代の平均年収は、「20〜24歳」と「25〜29歳」と分けて公表されていました。
<20代 平均年収>
20〜24歳 | 25〜29歳 | |
男性 | 315万円 | 375万円 |
女性 | 306万円 | 375万円 |
【出典:厚生労働省の厚生労働統計一覧(賃金構造基本統計調査)】
やはり、新人の頃は給与が低いですが、20代後半になってくると、
安定した収入を得る事ができそうです。
夜勤やオンコールの有無、勤務施設によっても影響があります。
他のコメディカルと年収を比較してみる
次に20代の他のコメディカルとの年収について比較をしてみましょう。
<他職種との平均年収比較>
職種 | 20〜24歳 | 24〜29歳 |
---|---|---|
臨床検査技師/男性 | 315万円 | 375万円 |
臨床検査技師/女性 | 306万円 | 375万円 |
看護師/男性 | 360万円 | 420万円 |
看護師/女性 | 351万円 | 416万円 |
理学療法士/男性 | 311万円 | 373万円 |
理学療法士/女性 | 311万円 | 365万円 |
出典:厚生労働省の厚生労働統計一覧(賃金構造基本統計調査)】
男性看護師の平均年収が一番高いです。
同期の男性看護師に話を伺うと、シフトは交代制勤務のため夜間手当がかなり大きいのでは?
と言っていました。
理学療法士と臨床検査技師はほとんど変化はありませんが、
少しばかり検査技師の方が高いです。
放射線技師、臨床工学技士の平均年収は公表されておらず載せておりません。
最大ピークの年収は?
臨床検査技師として働いていくと決めた以上、最大でどのくらいの年収になるか知りたいですよね。
こちらも厚生省からのデータから抜粋しました。
最大平均年収
50代がピークで、
男性:637万、女性:511万
やはり40代後半〜50代が最大ピークを迎えているようです。
特に男女で差が開いているのは、男性検査技師の管理職が多いからでしょう。
また、高額給与の方は750万以上をもらっている検査技師もいるようです。
やはり、同じ医療機関に長く勤務して、
役職についている方が
多くの給与をもらっているということですね。
1000万以上の年収を得ることは可能なのか~年収アップの方法は?~
僕が新人検査技師の時は、給与を見たときに「こんな給料でやっていけるか!」と明細書を投げつけたくなる気持ちでした。
いま冷静になって考えると1,000万以上を稼ぐことは可能だと思っていますが、
実現できる人は一握りの中の一握りでしょう。
でも、1000万に近づけることは十分に可能な職業であると僕は思います。
実現可能なパターンはいくつかあるかと思います。
例えば、「検査センター長」や「技師長」に就任したり、
僕のように「臨床検査技師」と「事務長」などを兼務する必要が出てきます。
鍵は「臨床検査技師」と「他の管理職」との兼務です。
僕の場合、医院経営にとても興味があったので、
その着地点がいまの状態ですが、簡単に言えばこういうスタイルで勤務するということです。
(残念ながら年収1000万には到達していませんが泣)
「微生物検査の権威になりたい」とか「超音波検査を極めたい」など、
それぞれの臨床検査技師としての理念があるかと思いますので、そちらを優先して欲しいです。
そのゴール地点に年収アップというご褒美があるのだと思います。
他に、治験を行う大企業や医療メーカーの役職に就くことも可能性があるかと思います。
絶対に言えることは、いきなりの高収入は有り得ないということです。
逆に異常なくらい高い給与条件の施設は確実に裏があると思っています。
好待遇に目が眩んで、すぐ飛び込まないようにしましょう。
くまのこの給与推移は?
給与推移をお話します。
上記でもお話をした通り、新人の頃は手取りで【15万円前後】だったのが、
初めての転職をした病院では手取り【21~24万円】にアップしました。
この時は症例発表や学会参加などの貢献費が手当として付与されていました。
現在の年収は、秘密ですが、専業主婦の妻と1歳の息子と3人家族で特に不自由なく生活をしています。
数ヶ月に1度は贅沢をしたり、年に数回は旅行にも出かけられています。
これも目標や短期的・長期的なミッションを定め、
それに向かって働いた結果、院長などに認められた証明と思っています。
最後に
検査技師の給与についてまとめてみました。
2020年はコロナ禍の影響で大きく変動しそうですね。
医療従事者とはいえ、これからは自分自身の生活や将来のライフプランをきちんと考えていかなければなりません。
ぜひ、今回のデータを参考にして欲しいと思います。
専門卒と大学卒での給与差は少しだけあります。
初任給の差はこのくらいで、その他はさほど変動がないと思います。
社会に出てからが本当のスタートです。
勤務形態や就業場所、
役職によって影響があり、
僕たちは検査技師としてのライフプランをきちんと確立して、働かないといけないのです。