「未経験からエコーを学べる」求人、それって本当?実体験をお話します!#13

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こんにちは、臨床検査技師・医療ライターのサユコです。

日々環境の変化に翻弄されながら、検査に育児に奮闘しています!

今回のコラムは「未経験からエコー学べます」という求人ははたして本当なのか?がテーマです。

「入職○年目になのに、エコーに触らせてもらえない」

「エコーはお局様が居座って教える気ゼロ」

「『そろそろトレーニングするから』って言われて、テキストだけ渡されて2年が過ぎた」

生理機能検査を担当している方、身に覚えがありませんか?

臨床検査技師になって12年目になりましたが、一定数そういった方に出会ってきました。

かくいう私もその1人でした。

「いい加減、エコーが出来るようになりたい!転職だ!!」

そう思って転職サイトに登録しても「エコー未経験可」の求人がそもそも少なく、やっとの思い出で転職しても

「新入りは研修の順番は最後だから!」

と、結局エコーに触れないままで意味がなかった…

残念ながら、こんなケースも多いようです。

そこで、

「未経験から本当にエコーを教えてもらえる施設」は存在するのか?

求人の探し方・見極め方は?

といったことを、実体験を元にまとめました。

エコーを習得したくて転職を考えている方の参考になれば幸いです。

目次

そもそも「エコー未経験可」の求人が少ない

昔転職エージェントに登録した際、エージェントさんに遠慮なく、
「エコーが出来ないのでエコー未経験可で、将来的にエコー習得できるところ」
と希望を伝えました。

すると、
「エコー未経験可の生理検査の求人はそもそも少なく、エコー習得可となるとかなり倍率が高い」
と言われてしまいました。

皆考えることは同じですね。

これは7~8年前の話ですが、話を聞いていると現在も状況はさほど変わっていないように思います。

タイミングにもよりますが、求人サイトを見てみると

・エコー未経験可だけど、そもそもエコーを実施していない

・エコー未経験可だけど、教育体制はないので取得不可

といったところも多いです。

何とか貴重な「エコー習得可」を見つけても…

転職活動を始めて半年ほど経った頃、

何とか勤務地や勤務時間などが条件に合った「エコー未経験可、習得可」の健診クリニックの求人を見つけ、応募→めでたく採用されて転職しました。

(ちなみに…「エコー習得可」の求人に限らず、転職活動には妥協点が必要です。
この時私が妥協したのは「給与」でした。
エコーが出来ないとお給料は安くなりがちですが、それにしても破格の安さでした。)

わかってはいたものの、まずはその施設のやり方に慣れるところからのスタートです。

当然「すぐにエコー研修します」なんていうことにはなりませんでした。

転職した当初は先輩2名がまだ研修段階(しかもお局様がエコー担当から動く気なしで進んでない)といった状況でした。

「自分に順番が回ってくるのはいつなんだろう…」と思いながらも、転職先に慣れてきた頃には超音波検査学会に入り、超初心者向けのハンズオンに行って「少しでも前進している!」と実感を得ようとしていました。

実際に研修を開始した時期は?

実際にエコーの研修が始まったのは、転職して3年目だったと思います。

エコー以外の業務を担当出来るようになり、タイミングとしては順当でした。

ただ、研修がスタートした一番の理由が

「エコーが出来る人が相次いで退職した・するから出来る人が足りなくなる!」

という何とも言えない状態でした。

私と同時にもう一人、後から入職した同僚も一緒に研修を開始しました。

理由が何であれ、チャンスは逃すわけにはいきません。

予定通りお局様や先輩が退職していき、ハイペースの研修を(半ば強引に)終えてついにデビュー!

独り立ちまで4ヶ月ほどかかったと思います。

もちろん急に出来るようになるわけもなく、でも「早く出来るようになって!」と言われて苦労しました。

「焦るくらいなら、ゆっくりでも研修進めておいて欲しかったー!」と同僚と言い合っていたのを覚えています。
(ちなみにこの同僚も、前職でエコーを教えてもらえなくて転職してきた人です。)

腹部エコーから始め、そこからは乳腺→甲状腺→頸動脈、とハイペースで進みました。
(人手不足だったのでやらざるを得なかったため)

いつからエコーを教えてもらえるかは、運による要素も大きいと思います。

転職先にしっかり研修プログラムが整っているかもしれないし、

急に人手が足りなくなって始まるかもしれないし、

もしかすると求職者を集めたくて「習得可」にしているだけで、全然始まらないかもしれません。

転職前の面接で「実際のところ、未経験者の研修はいつからどのように行っているのか」聞いてみることをおすすめします。

もし時間がかかることがわかっても、自分が納得出来るなら問題ありません。

エージェントがついているなら、そちらから確認してもらってもいいですね。

私が聞いた体験談!三者三様、エコー未経験から習得にたどり着くまで

職歴を重ねているため臨床検査技師の知り合いがそれなりに多い私ですが、同じようにエコー習得にたどり着くまであきらめず頑張った人も複数名います。

ここで「未経験からエコーを習得するまでどれくらいかかったか」知り合いの体験談を3名紹介します。

①一度仕事をやめ、ハンズオンに数十回→主催先からエコーデビュー

40代の方で、一度正職員を退社して腹部エコーのハンズオンセミナーに数十回通っていました。
4、5か月を勉強に費やし、その後はハンズオン主催者に仕事を斡旋してもらいエコーデビュー。
その後、現在も超音波検査士も取得して現在も巡回健診で働いてます。

②転職2年後に研修を始めたものの途中で中断、2年越しでデビュー

健診施設に転職した時に「エコーを教えます」と言われていて、実際に転職2年後に研修開始。
しかし中々進まず、2年ほど中断してしまいました。(その間に、同じく研修が進まない人が2、3名退職)。
「エコーはもういいや」とあきらめた頃に研修再開。その後は無事にエコーデビュー。
現在も同じ職場で働いています。

③低賃金は勉強代天引きのせい?技師長に直談判

「今後のことを考えるとエコーは絶対に出来るようになりたい」と転職。
お給料は激安だったけど「学費を払っている」と思うことにしました。
エコー以外のルーチンが出来るようになると「エコーを教えて欲しい」「なぜ教えてくれないのか」と技師長に直談判し、実際教えない理由はなかったため異例の速さで研修開始。
転職1年目の終わり頃から研修を開始してデビューし、その後エコー経験者向けの職場に再転職して収入アップしました。

この方たちは、全て別の施設や勉強会で知り合った方です。

紹介した以外にも色々なエピソードを持った方がいらっしゃいます。

皆さんそれぞれ目標の実現に向けて動き、我慢の時を過ごしていました。

今エコーに携わっている人がどのように習得したのか、オンラインサロンでは、もっと多くの人に話を聞けますよ。
研修を進めるためのヒントが得られるかもしれません。ぜひ参加してみましょう!
(くまのこ検査技師塾サロン)

複数名の実体験から考えると、エコー習得を目標に転職したのなら、チャンスが来るまで2、3年は待つ覚悟をしたほうが良さそうです。

「エコー取得可能」でも研修が進まないわけ

「“習得可”としているのに、どうしてエコーを教えてくれないの?」という疑問の答えは、色々な施設の内情を見てきて

①教える気はあるけれど純粋に人手と時間が足りていないから

②エコーが出来るようになると条件がいい施設に転職されるから

③お局様が阻止してくるから(!)

の3つに大別されるように思います。複数当てはまる場合もあります。

「どのくらい待てば研修してもらえる」とは一概に言えませんが、これらの理由が解決できないか考えてみるのが近道かもしれません。

まとめ

「未経験からエコーを学べる求人」は本当なのか?実体験をご紹介しました。

エコーを学べる求人は本当にあります。

しかし、実際に研修が開始するのは転職して2、3年目くらいからのことが多いようです。

転職したてでエコーの研修をしてもらえると思わない方がいいでしょう。

出来る準備を進めながら、あきらめずにチャンスを待ってみて下さい!

著者:サユコ

一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。


現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。

超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。


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