臨床検査技師の立場って弱い?地位向上のためにできることはある?♯15

くまのこ検査技師塾ブログの見出しです

こんにちは、臨床検査技師・医療ライターのサユコです。

もうすぐ繁忙期になってくると思いますが、やはり忙しくても丁寧に仕事をしたいものですね。

さて、そんな健診現場では

医療従事者
医療従事者

「診察待ってる間に乳腺エコーやっちゃってくれる?あと5分くらいあると思うから!」

「えっ、5分では無理です」

医療従事者
医療従事者

「えー」

というようなやりとりがしばしば起こっています…

他部署から理不尽な文句を言われてしまうという悲しい経験、皆さんにもありませんか?

目次

臨床検査技師って立場が弱い…?

病院、クリニック、健診センター…医師、看護師、放射線技師、薬剤師、そして臨床検査技師。
所属している人数は様々ですが、様々な医療従事者が働いています。

どんな職場で働いていても、臨床検査技師仲間から度々聞かれること。

それは、

「臨床検査技師って、立場弱いよね…」

ということです。

自分が感じたり、誰かが愚痴っていたり…

検査技師仲間がそう言っているのも何度も聞いてきました(おそらく、これからも聞く機会はあるでしょう)。

「ちょっと落ち込んじゃうな…」という方は、臨床検査技師のオンラインサロンでやり切れない気持ちを話してみてはいかがでしょうか。
きっと同じ思いをした人がいるはずです。「自分だけじゃないんだ」と元気が出るかもしれません。
ぜひ参加してみましょう!(くまのこ検査技師塾オンラインサロン)

私にもそんな経験があります。

大学病院勤務時代、とにかく看護師さんの邪魔にならないように、怒られないように小さくなって行った病棟採血。

冒頭のような、何かと無茶振りされる健診センター。

いつでもそうとは限りません。

でも、残念ながら「臨床検査技師って立場が弱いよね…」と思わざるを得ないのが実情だと感じています。

そこで「臨床検査技師の弱い立場を改善し、地位を向上させるためにはどうすればいいのか(やや大げさですが)」を考えてみました。

考えられる理由①そもそも知名度がない

そもそも、看護師や薬剤師に比べて臨床検査技師の知名度は低いです。

患者さんを始め一般の方はもちろん、残念なことに同じ医療従事者にも別の職種と間違われることも。

知らない職種=何をしているかもわからない、だから弱い立場の一因になのではないか…と考えられます。

考えられる理由②独占業務がない

臨床検査技師は名称独占資格であり、業務独占資格ではありません。

資格対策講座で有名なユーキャンのホームページでは、

「名称独占資格とは、資格を取得した人だけが特定の肩書きを名乗ることでき、資格取得者以外はその名称を名乗ることのできない資格を指します。独占資格業務のように、資格を取得している人だけが業務を行えるといったものではありません。」

「業務独占資格とは、資格を取得している人だけが業務を行える資格です。資格を有していない人が業務を行ってしまうと、法律違反になります。」

と説明されています。(引用:https://www.u-can.co.jp/special/theme/monopoly/

つまり「臨床検査技師だけが実施可能な業務」は存在しないのです。

最近はタスクシフト/シェアが進み、法改正によって業務範囲が拡大していますが、独占業務ではありません。

残念ですが、クリニックなどの小規模な医療機関では常に臨床検査技師がいなくても大丈夫ということです。

予め検査を行える日を決めて、その日程に合わせてスポット的に臨床検査技師が勤務するようなクリニックも多いと思います。

「臨床検査技師がいないから○○が出来ない!」

というようなものが一つでもあれば少しは変わってきそうですが、残念ながら今のところ予定はないようです。

考えられる理由③所属人数が少ない

一概には言えませんが、病院やクリニックでは臨床検査技師の所属人数が他のコメディカルよりも少なくなりがちです。

大きい病院では検査部内でも部門に分かれるのでそれなりに人がいますが、看護部には敵いません。クリニックでは多くても5人以下の所が多そうです。

健診センターは臨床検査技師の人数が多い所もありそうですね。

人数が少ないと、どうしても多数決の意見になる場面では弱いでしょう。

絶対とは言えないですが、考えられる理由として挙げた3つが相互に影響しているのではないかと考えます。

法律や採用人数は、残念ながら自分たちの力で変えられるものではありません。

では、今から地位向上のためにできることってなんでしょうか?

臨床検査技師の地位を向上するためには

法改正はすぐに出来ないですし、病院やクリニックの人事権を持っている臨床検査技師も少数派だと思われます。

そんな中でも、自分たちですぐにできることを挙げてみました。

①より良い人間関係を心がける

検査技師の地位向上のために限らずですが、人間関係がスムーズだと業務もスムーズにいくものです。
ミスや仕事上のストレスも減ります。

特に少人数の職場では、多職種とのチームプレーの機会が必然的に多くなります。

大きな病院でも「あの人はいつも親切に対応してくれる」と顔見知りになる他職種の人がいると、自分の存在を覚えてもらいやすくなります。

今までの経験から、関係が良ければちょっとしたお願いも気軽にできるし、聞いてもらいやすくなるのではないかと思うのです。

もちろんお願いするばかりではなく、お互い持ちつ持たれつの関係ができるといいですね。

②頼られるような知識や技術をつける

心電図、細菌、病理、エコーなど…検査手技や結果の解釈について、医師からも頼りにされるようなベテラン臨床検査技師の方々がいらっしゃいます。

知識も経験も豊富なので、先生に「どう思う?」と聞かれて意見を述べることも度々。

経験を積むにはどうしても時間がかかりますが、

学生時代の授業で心に残っている言葉から考える

学生時代の授業で今でも心に残っているのが、

「変な言い方だけど、自信もって卑屈にならないでくださいね」

という、大学時代に授業で言われた一言です。

3年次の臨床医学の授業にゲスト講師として来ていた大学附属病院の医師の言葉でした。

肝心の講義内容は忘れてしまいましたが、講義の最後を締めくくった言葉です。

検査科と普段から関わる科の医師だったので循環器内科か、もしかしたら臨床検査専門医の先生だったかもしれません。

「こんなこと言うと失礼かもしれないんだけど、病院で働いていると検査技師さんたちはどこか立場が低いというか、そういう姿勢を感じることがあります。
毎年検査専攻で講義をするんだけど、学生さんもおんなじというか。
でも、僕たちも教えてもらうことがたくさんあるんですよ。
検査技師さん、もっと自信もって下さいね。

こうして振り返ってみると「やっぱり臨床検査技師の立場って弱いよね…」と改めて思うようなエピソードなのですが…。

講義を担当した医師が臨床検査技師のことを信頼して下さっていたから、
大学附属病院の検査部の方たちが日々実績を積み重ねているから信頼されていたから出てきた言葉だと思うのです。

当時はピンときませんでしたが、今はとてもありがたいと感じる言葉です。

この言葉を思い出し、臨床検査技師1人1人の信頼の積み重ねで地位の向上につながるのではないかと考えました。

「健診センターだろうとクリニックだろうと、勤務先に関係なく、自分の仕事に信頼を得られるような技師になって自信を持ちたい」
と私は思っています。

臨床検査技師の立場の弱さを何とかするのは長い長い道のりになりそうですが、一緒に頑張っていきましょう!

著者:サユコ

一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。


現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。

超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。


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