経食道心エコー(TEE)の基本的な「読み方」「見方」の解説

本記事では経食道心エコー図検査(TEE)の基本的な「読み方」「見方」についてレクチャーをしていきたいと思います。

ブックマーク必須な内容となっているので、ぜひ何度も読み返して欲しいと思います。

目次

プローブの種類

TEEプローブは振動子の回転によりシングルプレーンバイプレーンマルチプレーンの3種類あります。

シングルプレーン

0度、つまり体の横断面のみの描出

バイプレーン

0度と90度、横断面と縦断面の観察が可能

マルチプレーン

振動子が0ー180度まで回転し、任意の角度での画面を得ることが可能

プローブの動き

プローブの動きについて紹介します。

  • 前後と後退
  • 前屈と後屈
  • 左屈と右屈
  • 左回転と右回転
  • 振動子の回転

大きいノブを動かすことでプローブは前屈・後屈し、
小さなノブが側屈の場合、振動子の回転のボタンが操作部の近辺にあることが多いです。

位置関係

心臓と食道は接しているため、綺麗な画像を得るのは容易です。
しかし食道内に挿入して得られる画像がどこの位置か理解するためには挿入の深さと心臓の関係を知る必要があります。

観察すべきポイント

①僧帽弁

経食道心エコー

角度:約120度、交連像約60度

僧帽弁、左室の評価ですが、角度はそのままででup/downなどで左室をできるだけ画面中央にします。
大動脈弁、左室、僧帽弁がきれいに3者描出されているところでは、僧帽弁の前尖がA2、後尖がP2に該当します。
ここではMRの評価、MSの評価、疣贅の有無、左室収縮能、E/Aの評価などを評価します。

②大動脈弁

角度:短軸約30度、長軸約120度

大動脈弁の形態を評価します。
短軸像では開口部(ASの場合直接AVAの測定)の評価や2尖弁などの形態評価を致します。

患者さんによって大動脈の角度が色々なのであくまで30度という角度は目安で、三尖弁がそれぞれ同じ大きさくらいに表示される像を出します。


長軸は「短軸の角度+90度」くらいの角度で測定し、僧帽弁の前尖、後尖と左室、大動脈の3者が同時にきちんと描出される箇所を出します。


ここではARの重症度評価(vena contracta)や疣贅の評価、A弁基部やSTJの長さの測定などを行います。

③左心耳

経食道心エコー

角度:約30度、90度、(135度)

経胸壁では評価が難しく経食道心エコーの方が(左心耳は特にTTEでは観察が難しい場所なのでTEEが重要です)。
また血栓の有無だけでなく、左心耳内の血流速度(低下すると血栓リスク)も測定します。


参考・引用文献:
Guidelines for Performing a Comprehensive Transesophageal Echocardiographic Examination: Recommendations from the American Society of Echocardiography and the Society of Cardiovascular Anesthesiologists

Rebecca T. Hahn, MD, FASE, Chair, Theodore Abraham, MD, FASE, Mark S. Adams, RDCS, FASE, Charles J. Bruce, MD, FASE, Kathryn E. Glas, MD, MBA, FASE, Roberto M. Lang, MD, FASE,Scott T. Reeves, MD, MBA, FASE, Jack S. Shanewise, MD, FASE, Samuel C. Siu, MD, FASE,William Stewart, MD, FASE, and Michael H. Picard, MD, FASE, New York, New York; Baltimore, Maryland; Boston, Massachusetts; Rochester, Minnesota; Atlanta, Georgia; Chicago, Illinois; Charleston, South Carolina; London, Ontario, Canada; Cleveland, Ohio


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