トレーニングシミュレーター体験レポート!―心エコーハンズオンセミナーを受講して―#26
こんにちは、臨床検査技師ライターのサユコです。
突然ですが、今回はエコーに携わっている・興味を持っている方にはぜひ受講をおすすめしたいセミナーをご紹介します!
その名も「シミュレーターを使用した特別ハンズオンセミナー」です!
以前にこちらのトピックでも紹介されていましたね。
エコーのシミュレーターなんて普段なかなかお目にかかれるものではありません!
というか、初めて聞くかも。
…やってみたい!!!体験してみたい!!!!
というわけで、実際に「心エコーシミュレーターを使用した特別ハンズオンセミナー!」を受講してきました!
まさに百聞は一見に如かず。
皆様にも実際にセミナーを受けて良さを実感していただきたいと思います。
受講を検討されている方、興味を持っていらっしゃる方の参考になれば幸いです。
参加の動機
腹部エコーのセミナーも開催されていますが、今回は以下の理由で心エコーを選びました。
- 現在、心エコーをトレーニング中である
- 普段はあまり心エコーの依頼がなく、経験できる症例が少ない
- シミュレーターの使用感が気になる
座学で知識を学んでも、実際の症例を検査する時の手技の指導を受ける機会がなかなかありません。
しかも検査件数が少ないので経験できる症例自体が少なく、悩みの種でした。
このシミュレーターの特徴の1つは、様々な疾患が搭載されていること。
「自分にぴったり!」と思い、平日開催の部に参加を決めました。
いざ、セミナー開始!
受講者は私を入れて4名。
最大でも4名の受け入れのため、1人1人しっかりプローブを当てる時間があります。
今回は、
- 大学病院でバリバリ心エコーを撮っている
- 人間ドックの一環でスクリーニングの心エコーを求められている
- 消化器科のクリニックなのに、まれに先生に心エコーをオーダーしたいと言われるのでトレーニングが必要(私です)
といったような、様々なバックグラウンドを持つ受講者が集まりました。
実技開始前に、心エコーのベテラン講師がそれぞれの受講者に対して「受講者の手技レベル」「ハンズオンで何を学びたいか」をヒアリングし、それを元に講義内容が決まります。
私が参加した回は
- ASの計測のポイント…胸骨右縁アプローチのコツ
- 壁運動評価
- MRの評価法
- ASDの描出法
などが取り扱われました。
それに加えて、描出のコツや検査の際に確認すべきチェックポイントのアドバイスもあります。
もちろん実際の走査をしながら、プローブ操作に関する個別アドバイスもありますよ!
実際にシミュレーターを使ってみると…
いざ、シミュレーターでハンズオン開始です。
エコー検査では、プローブを被検者に密着させる必要があります。
「シミュレーターだと感覚が全然違うんじゃないかな?大丈夫なのかな」
と正直疑問があったのですが…実際にシミュレーターでプローブ走査した感覚は、まさに実際の検査そのもの!
微妙なプローブの角度や力の入れ方が同じように再現されています。
プローブを当てた感触は、実際の検査とほとんど変わりませんでした!
モデルの写真を拝借していますが、このようにプローブの動きと連動して3D断面が動くんです!
平面だと「今自分がどの断面を検査しているか」がわかりにくいこともあるのですが、シミュレーターを使えば一目瞭然!
プローブの当てる位置の微妙な調整ポイントも、講師の適切なアドバイスとシミュレーターで非常にわかりやすかったです。
これならエコーを始めて間もない方でも、解剖を含めて勉強しやすいと思われます。
珍しい疾患も、実際に自分で検査できる!
心タンポナーデや機械弁、大動脈解離…クリニックや健診施設だと普段は出会わないような疾患も、シミュレーターに搭載されていれば自分で走査して検査できます。
こんなハンズオンセミナーは初めてです。シミュレーターの醍醐味その2、とも言えるでしょう。
ちなみに、搭載されている疾患は
〇 正常心臓
〇 左室機能障害
〇 壁運動異常
〇 循環血液量減少
〇 大動脈弁狭窄症
〇 僧帽弁狭窄症
〇 僧帽弁閉鎖不全
〇 心房中隔欠損症
〇 大動脈解離
〇 機械弁
〇 三尖弁閉鎖不全を伴った右室機能障害
〇 左心耳
〇 正常肺
〇 胸水
〇 心タンポナーデ
〇 気胸
〇 大動脈弁閉鎖不全
〇 肺塞栓症
〇 肥大型心筋症
〇 TAVRデバイス
など多岐に渡るそうです。(全部見てみたい…!)
オーダーメイドのわかりやすい解説
それぞれの受講者の知りたいことを中心にセミナーが組み立てられるのですが、前述の通り、私が受講した回は受講者間の経験や技術に差がありました。
「受講者の基礎的な技術や知識に差があって、同時にセミナーを実施して大丈夫かな?」と思ったのですが心配無用でした!
講師から1人1人のレベルに合わせたアドバイスがあるため、
「基本的な計測方法とポイント」から「より正確に流速を測るための一歩踏み込んだ描出法」など、
同じ疾患に対する解説でも1人1人に合わせられていました。
いくらシミュレーターがハイテクでも、適切な解説と指導なしにはハンズオンセミナーは成り立ちません。
その点に関しても安心して受講できました。
受講した感想は…
あっという間の2時間!
セミナー後、実際に体験した感想を他の受講生の方とお話しました。
・3D断面とプローブ操作がリンクするため、解剖がイメージしやすい
・解説が具体的で、どのように走査を修正すれば良いかわかりやすい
・実際に症例を検査して描出のコツを練習できるのが良い
・一歩踏み込んだマニアックな質問にもピンポイントに答えてもらえるのがありがたい
・被検者が疲れていないか、気を遣わなくても良いから気が楽
・また受講したい!今度は計測法について詳しく学びたい
といった感想が聞かれました。
百聞は一見にしかず!ぜひ皆様にも体感して頂きたいセミナーでした!
技術習得はもちろん、最新の技術に感動すること間違いなしです。
そして技術だけではなく、講師のわかりやすい解説にも「参加して良かった」と思うはず。
腹部エコーVerや経食道心エコーVerも開催されているこのシミュレーターハンズオンセミナー。
今後も定期的に開催される予定だそうです。次回は腹部も体験したいと思います!
腹部エコーシミュレーターを使用した特別ハンズオンセミナー!
平日開催!心エコーシミュレーターを使用した特別ハンズオンセミナー!
土日祝開催! 心エコーシミュレーターを使用した特別ハンズオンセミナー!
一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。
現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。
超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。