意外と患者さんが誤解していること5選! -正しい知識をわかりやすく伝えよう-♯17

くまのこ検査技師塾ブログの宣伝です。

こんにちは、臨床検査技師兼医療ライターのサユコです。

今回は企業の健康診断・人間ドックについてです。

健診施設勤務のため毎日たくさんの受診者さんと関わっていますが、検査に関わることで受診者さんから質問されること・言われることは結構あります。

あまり検査を受け慣れていない方が多いからなのか、中にはこちらが「えっ」っと驚くようなことを言われることも…

生理検査や採血を担当する人なら、どなたにも同じような経験があると思います。

そこで、今回は受診者さん・患者さんのよくある勘違いをまとめてみました!
(「言われたことある!」と共感して頂ける方、たくさんいるのではないでしょうか)

目次

「よく言われるんだよね…」検査の勘違いあるある

1.心電図を撮る時に「そこ(電極)から電気が身体に流れるんでしょ?」

心電図を撮ろうと思って電極をつけていくと、ガチガチに緊張している受診者さん(すごい筋電図…!)。

「緊張しなくてもすぐに終わりますからね」

と声をかけると

「今から電気が流れるんでしょ?」

と、どことなくこわばった表情。

心電図は電極から電流を流して記録するもの、と勘違いされていたようです。

学校健診を受けるような若い学生さんからご年配の方まで、幅広い年代でたまに言われることがあります。
確かに「今から電気が流される」と思えば緊張しますよね。
(しかも手足をクリップで挟まれ、冷たいものを胸にくっつけられて「動かないで下さい」と言われるんですから…)

2.採血している時に「そんなに血をとられたら貧血になっちゃう」

健診の採血で生化学・末梢血・血糖のスピッツ3本分を採っていると

「そんなにいっぱい血をとられたら、ますます貧血になっちゃう!」

どんどん血液が採血管に入っていくし、普段から血を見慣れていないと特に不安になってしまうのかもしれません。

実は、実際に採血する量って微々たるもの…というのは私たちが臨床検査技師だから知っているだけなんですよね。

採血が苦手な方は一定数いらっしゃいます。
(ちなみに私も自分が採血されるのは好きじゃないです。平気ですが)

苦手そうな方や嫌そうな方には、
「無理して見なくても、別の方を向いていて下さいね」
「ご気分悪くなりそうでしたら横になって採血することも可能ですが、どうしますか?」

と声掛けしていますが、そういった方にはなるべくやせ我慢しないで頂きたいですね。
後が危ないので…

3.同じく、採血している時に「色が悪い血だから、ドロドロで検査結果も悪いんでしょ?」

私たち臨床検査技師が採血可能なのは静脈血なので、個人差はありますが鮮やかな赤い血が出るわけではありませんよね。

普段採血に慣れない方は、想像よりも暗い色の血を見て

「うわー、俺の血は黒くて結果悪そう」

と仰る方もいます。

「こんな色じゃドロドロの血でしょ?」

と言われることも…

絵に描いたような動脈血の赤い色を想像する方は、私たちが思っているよりも多そうです。

4.検査後に「え、あなたがすぐに説明してくれるんじゃないの?」

エコー検査が終わり「はい、検査終了です」とお伝えすると

「どこが悪かった?」「結果はどうだった?」

とすぐに聞かれることって多いと感じませんか?

一箇所をじっくり観察していると

「こっち側に何かありました?」

と不安そうに言われることも。

写真を保存したり、計測したり、場合によっては血流を見るためにカラー表示して画面が派手になったりするので受診する側も気になるところだと思いますが。

「ここではお伝え出来ません」というと「えー!」と言われてしまうこと、ありがちではないでしょうか。

5.以前の検査結果が陰性で「私は大丈夫だから!」

前回受診歴がある方で、

「ずっと何も言われてないから、私は大丈夫なの!」

と仰る方。

こちらとしても、つい「じゃあ何も所見はないかな」という目で検査してしまいそうになりますが、こんな時ほど注意しなければいけませんよね。

今回何もない保証はどこにもありません。

最初から「正常範囲だろう」と思って検査すると、見落としにつながりやすいと考えます。

誤解を解こう!分かりやすくて正しい知識を伝えよう

私は、実際の現場で受診者さんや患者さんが「ちょっと勘違いしているな、間違った知識を持っているな」と思ったら、なるべくわかりやすく正しい知識をお伝えするようにしています。

上に挙げたよくある例でどう答えているか、参考までにまとめてみました。

もし「検査技師になりたて、生理検査に配属したてで返答に困っちゃう」という方がいらっしゃったら、答え方のヒントにしてみて下さい。

また、「私はこんな時、こう答えてます!」という案があればぜひ教えて頂きたいです。

受診者とのコミュニケーションに関して「他の人はどう言っているんだろう」と疑問に思ったら、ぜひくまのこ検査技師塾のオンラインサロンで質問してみましょう!
色々な立場の検査技師仲間から意見がもらえますよ。(くまのこ検査技師塾オンラインサロン)

1.心電図を撮る時に「そこ(電極)から電気が身体に流れるんでしょ?」

→「逆に、心臓から出ている弱い電気を拾っていますよ!とっても弱い電気なので、身体に力が入ると上手く記録出来ません。リラックスして動かないで下さいね」

原理を簡単に説明すると、勘違いだとわかって「なーんだ」となることが多い気がします。

2. 採血している時に「そんなに血をとられたら貧血になっちゃう」

→「たくさん採っているように見えるかもしれませんが、実際にはティースプーン2,3杯くらいなんですよ。」

「ティースプーン2,3杯」という表現は、先輩のどなたかの表現をそのままお借りしています。
「ちょこっとだけ」がわかりやすく伝わればOKです。

3. 採血している時に「色が悪い血だから、ドロドロで検査結果も悪いんでしょ?」

→「静脈の血なので暗い色に見えますよね。見た目だけでは結果がわからないので、ちゃんと機械で調べますね」

なんで血の色が暗いのか、結果は見た目ではわからないことをお伝えします。

4.検査後に「え、あなたがすぐに説明してくれるんじゃないの?」

→「私たちが診断すると違法になってしまうんです。専門の先生が結果を確認して診断がつくので、後日結果をご確認下さいね」

場合によって、毎年受診していて結果に変化がない時は「大きくお変わりなさそうです」と言うこともありますが、「正確な結果は専門医の診断後に~」のくだりを必ず添えます
結果について言及するのはトラブルの元になるのでなるべく避けています。

5.以前の検査結果が陰性で「私は大丈夫だから!」

→「もしかすると何か変化が出てくる場合がありますので、早期発見のためにも検査は毎年必ず受診して下さいね」

1回検査して異常の指摘がなかったからそれ以降も同じかと言ったら、そうとは言い切れませんよね。

検査と検査の間に何か変化があるかもしれません。

1回やって結果が変わらないなら毎年検査を受ける必要はなくなってしまうので、油断しないで検査を受けて下さい、とお伝えします。

「わかりやすく簡潔に伝える能力」を磨こう!

以上のやりとりは検査中に行うので、あまり時間はかけられません。
(心電図の仕組みから話していたら大変なことになってしまいます)

かと言って、何も答えないのも愛想がないし最悪クレームにつながる可能性もあります。

というわけで、私は受診者さんに説明する際に「専門知識がない人にもわかりやすく簡潔に伝える」ことを心がけています。

受診者さんに限定せずとも、上司や同僚に報告する・後輩指導する場合にも大切なことだと思います。物事の要点をきちんと理解していないと出来ないことではないでしょうか。

あらゆる場面で役立つ「わかりやすく簡潔に伝える力」、日頃から磨いて受診者・患者対応にも役立てていきましょう!

著者:サユコ

一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。


現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。

超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。


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