夜働くってどんな感じ?夜勤の実体験!#24
こんにちは、臨床検査技師兼医療ライターのサユコです。
病院や検査センターなどに就職するなら、夜勤や当直などの「夜働く」勤務形態がある施設も多いでしょう。
24時間体制の勤務はいくつか種類があります。施設によってどの形をとっているかは様々です。
「夜勤、ちゃんとできるかな」
「当直、不安だな」
そう思っている新人臨床検査技師の方もいらっしゃるかもしれません。
(ちなみに私の新人時代、就職してすぐの同期内2大不安事項は採血と夜勤でした。)
新人がすぐに夜の勤務に入ることはないはずですが、この機会に夜勤の思い出を振り返ってみたいと思います。
夜勤、宿直、オンコール…多様な夜間帯の働き方
夜の働き方には色々な種類があります。
まず、それぞれの定義を知りましょう。
あなたの勤務する施設はどんな体制をとっていますか?
(参考:https://jsite.mhlw.go.jp/tokyo-roudoukyoku/content/contents/001286640.pdf)
夜勤
夜勤は法定労働時間内、つまり週40時間・1日8時間の範囲内で行う通常業務です。
「夕方出勤して夜働き、朝帰宅する」というイメージですね。
休憩として仮眠時間が設定されていることも多いでしょう(実際に寝られるかどうかは…)。
宿直
通常の日勤が終わってから夜間に病院で待機することです。
「当直」と呼ぶ場合もあるかもしれませんが、
正確な定義の当直は「当番制で業務に当たること」を指し、時間帯は問いません。
「何かあった場合の特殊業務」として位置付けられています。「緊急事態に備えて病院に泊まる」というイメージです。
業務は法定労働時間外で、労働基準監督署の許可を得て当直業務が可能となります。原則週1回以下であると上限が決められています。
オンコール
その場にいる必要はないものの、緊急時に駆けつけて職場外で待機する勤務です。
何もなければ呼ばれないけれど、「コールがあれば30分以内に到着する」といった決まりがあることが多いでしょう。
私は経験したことがありませんが、「呼ばれなくてもずっと落ち着かないから、だったら最初から割り切って病院に泊まりたかった」と言っていた経験者の方がいました。
実体験!夜勤で辛かったこと5つ
ここで、実際の夜勤はどうだったか?辛かったことを具体的に振り返ってみました。
1.シンプルに、眠い!
最初の頃こそ緊張感で夜通し目が冴えていましたが、明け方3時・4時頃に眠気のピークがやってきました。
それまでに仮眠が取れればラッキーですが、そう上手くはいかないもので…
もちろん、眠いからと言って失敗は許されません。
元々夜遅くまで起きているのが苦手だったので、夜勤の回数をこなして慣れてくると眠気が辛かったです。
眠眠打破とミンティアは私の夜勤のお供となっていました。
2.忙しい日に当たった
病棟も落ち着いているようなら救急からも検体が来ず、夕食も仮眠もまとまって時間を取れるラッキーな日もあれば、次から次に救急部から検体が運ばれてきて休む間もない日もありました。
夜勤をやっていた当時は、近隣にも救急外来がある同規模の病院が複数あるという非常に恵まれた環境でした。
詳しいことは結局分からずじまいでしたが、救急で当番制度があったのでしょうか。
少なくても若手のヒラ職員には情報が降ろされていなかったので、たまに「今日は『当たり』だー!!」という夜を何回か経験しました。
3.受け取った検体に不備があった
夜勤時に出される緊急検査オーダーは一般のオーダーとは別になっていたため、間違ってオーダーされると検査できませんでした(正確には、バーコード読み取りで情報がマッチングできずデータと結びつきませんでした)。
たまに間違って一般オーダーの検体で提出された場合、オーダーした先生に連絡して新しくオーダーを立てて…といった手順が必要でした。
時と場合によっては検査を先行することもありましたが。
また、血算の検体が凝固している、強溶血の生化の検体などの検体不備もありがちでした。
4.レアな検査オーダーに当たった
夜勤帯なのに「なんでこれが緊急検査なの~!」と言いたくなるようなやや特殊な検査項目が設定されていました。
滅多にオーダーはないですが、だからこそいざ当たると心がパニック!というような。
仮報告となって翌日に担当部署で再検されるのですが、いくら仮とはいえ間違っては大変です。
夜勤明けの日に「昨日○○のオーダーに当たった!」と日勤のメンバーにこぼしながら帰宅したものでした。
5.夜勤明けの日に電車が運転見合わせになっていた
早朝、明るくなってくると「もうちょっとで終わりだ、頑張ろう!」と気合を入れ直していたものですが、たまに起こる電車の運転見合わせは困りました。
落ち着くまで人が足りなくなった部署で応援してから勤務終了、が暗黙の了解というかマナーというか…でした。
採血当番の人が動けなくなると夜勤明けで採血することになり、いつも以上に神経を使いました。(帰りの電車では気が緩んでぐっすり…)
メリットだってある!夜勤で良かったこと4つ
辛かったことが先に思い出されましたが、意外といいこともあったんです。
1.他部署の人と交流できた
別部署の人と2名体制で夜勤に入ったので、検査技師の夜勤としては恵まれていたかもしれません。
普段はあまり関わらない他部署の方と一緒になると、やや緊張感がありながら知らなかった事情などが知れて楽しかった記憶があります。
怖い人と2人だとさぞつらいだろうと思ってしまいますが、幸い優しい方としかペアになったことはありませんでした。
2.普段は携わらない検査を経験できた
夜勤帯は自分がルーチンでは行わない検査もオーダーされるので、一通りできるように練習してから夜勤に入ることになります。
慣れない時間帯に慣れない検査は緊張しましたが、いい経験になったと思います。
血算や一般の項目など、目視で判定するような検査が出ると本当に緊張しましたが…。
3.美味しい夕食を注文できた
夕食は手が空いた時間に食べていたのですが、近所から宅配で注文できるように休憩室にメニュー表が置いてありました。
今は一般的になったウー○―の先駆けのような…。
夜勤はそれを楽しみに頑張っていたといっても過言ではありません。ただ、暖かいうちに食べられるかどうかは時の運でした。
4.夜勤明けの日は実質休みとしてカウントできた
これは「夜勤」の体制だからこそできたことですが、朝勤務終了になると退勤となります。翌日は通常通り朝からの出勤です。つまり、夜勤明けが1日休みみたいなもの!夜働いているので労働時間総数に変わりはないんですけどね。
土日が休診日かつ金曜日に夜勤明けに当たると、実質3連休のような体感でした。
当時は若かったからこその間隔かもしれません。体力がある人はその足で某テーマパークに出かけ、翌日の勤務にお土産を持って現れたことも…。
まとめ
夜勤の思い出を辛かったことと良かったことに分けてご紹介しました。
「宿直の体験も知りたいな」という方は、ぜひくまのこ臨床検査技師塾のオンラインサロンで聞いてみて下さい!新人検査技師の疑問に答えてくれる技師が勢ぞろいしていますよ。(くまのこ検査技師塾)
もし夜の勤務があっても、臨床検査技師は看護師ほど回数がない施設が大半だと思います。
いつもと雰囲気が異なる施設内で働くのは、ある程度回数をこなしたとしてもどこかドキドキして、夜勤明けの朝日を眩しく感じたものでした。
これから夜勤務の予定がある方、本番に備えてしっかりトレーニングしておきましょう!
一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。
現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。
超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。