英語力、要約力、質問力…トレーニング効果は抜群。もっと気軽に論文を読もう!#23

くまのこ検査技師塾 臨床検査技師に向けてのブログのサムネです

こんにちは、臨床検査技師兼ライターのサユコです。

先日、面白いオンライン企画に参加して、久しぶりに論文に触れました。
今回はそのイベントを振り返って、
「気軽に論文を読もう!」という論文閲読のススメについてご紹介します。

目次

論文、普段から読んでいますか?

国内外問わず、日々投稿されている論文。
臨床検査技師の皆さんは、普段から論文を読んでいますか?

ご自身が研究し、著者として論文を書いている方はもちろん、

  • 学会発表をする方
  • 職場内の勉強会がある方

などは、普段から論文に触れる機会があるでしょう。

卒業研究中などの学生さんは、有無を言わさず毎日のように読んでいるかもしれません。

でも、論文を読まなくても業務が成り立つ方はどうでしょうか。

「読んだ方がいいよな…」と思っていながらも、日々の仕事に追われて中々時間を捻出できないことも多いはずです。

私もそんな風に思っている1人でした。

学会誌の報告をさっと読むくらいはしましたが、
論文となるとライター業のエビデンスを取得するためにさらっと確認する程度。
しっかり読んだのは卒業研究をしていた○○年前だったでしょうか…

そんな折に、ご縁があってカジュアルなオンライン論文抄読会に参加することにしました。

「ジャンルは問わず、好きな論文を選んで内容を発表、質問が来たら答える」というスタイルで、論文がご無沙汰な私にも参加しやすい企画だったのです。

晴れて参加決定し、当日までに論文を読んで準備することになりました。
どんな論文を選んでも良かったので、まずどんなものを読むか?
決めるところからスタートです。

気軽に読める論文を探してみよう

卒業研究の指導教員の先生が学部生にも熱心に指導して下さったので、学生の時こそ週に2、3本の英語論文に目を通していました。

でも、そこから時は流れ…英語論文どころか日本語論文さえ読まずに過ごす日々に突入して、気付けば早10年以上。

英語を読むスピードも物凄く遅くなっていました。

医学系のテーマで論文を検索し始めたものの「難しすぎて取っつきにくい、専門用語も忘れてる!」

ということで、ハードルを下げて論文を探すことに決定です。

「久しぶりに英語論文を読む。医療に関係するものだけど、そんなに堅苦しくないテーマで、読んでいて楽しい」

を目指して探しました。

今は色々な医療情報のポータルサイトがあります。
医療ニュースやガイドライン、新規の論文などのホットな話題が乗っていて、有料会員でなくとも恩恵にあやかれます。
CareNet(https://www.carenet.com/)やm3.com(https://www.m3.com/)が有名でしょうか。
他にもたくさんありますよね。

私はCareNetの新着情報から肩の力を抜いて読めそうな論文を探すことにしました。

そして目に留まったのが、
「Association of health benefits and harms of Christmas dessert ingredients in recipes from The Great British Bake Off: umbrella review of umbrella reviews of meta-analyses of observational studies.」
…日本語にすると「『グレート・ブリティッシュ・ベイク・オフ』のレシピに含まれるクリスマスデザートの材料の健康上の利点と害の関連性:観察研究のメタ分析のアンブレラレビューのアンブレラレビュー」というやや長いタイトルの論文です。
(原著:https://www.bmj.com/content/383/bmj-2023-077166

これは超有名ジャーナルのBMJのクリスマス特集号に掲載された論文だそうです。

クリスマスデザートのレシピが健康に悪いかどうか、使われている食材から調査した結果が報告されています。

クリスマスということで、ちょっとしたユーモアのある研究を、という毎年恒例の企画のようです。
ユーモアがあると言っても海外の有名ジャーナルで、きちんとした調査がなされているれっきとした論文です。

医学や栄養学を専門としない人でも「何それ!」と思わせるタイトルでもあり、専門的過ぎる内容でもなかったため、読み始めるハードルは低かったです。

専門的な論文を探そうと思ったら、検索エンジンで「医学論文 探し方」を調べると大学の研究室や附属図書館の「論文の探し方」のページがたくさんヒットします。

学生向けにわかりやすくまとまっていますので、ぜひそちらを参考にしてみて下さい。

ハードルを下げてから、業務につながる内容の論文を読もう

論文抄読会に参加して、自分が読んだ論文を
「聞いている人にわかりやすく要約し、読み込んで質問に答えられるようにする」ことは普段から意識してやらないと出来ないことだ、と改めて気づきを得ました。

また、自分以外の人が読んだ論文の紹介も興味深く、専門知識がさほどないような分野のものでも「こんなに興味を持たせるように紹介出来るんだな」と非常に勉強になりました。

発表内容を聴いて「質問をしよう」という姿勢も、疑問点を拾い上げるトレーニングになると感じました。

最も参加して良かったことは、論文を読むことに対するハードルが下がったことです。

10数年のブランクでしたが、
「日本語論文でも、Abstract(要旨)だけでもいいから、ちょっとずつ読むようにしたいな」
と思うようになりました。

今は翻訳が驚くほど簡単かつ自然な日本語で出来るようになりましたよね。
最初はざっと内容を掴んでから自分で精読すると、英語力も鍛えられそうです。

医学系の論文を探すなら、
PubMed(https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/
医中誌(https://www.jamas.or.jp/service/ichu/

といったポータルサイトが有名どころでしょうか。
無料でも多くの論文が閲覧出来ます。

おまけ:私の論文の探し方

この抄読会をきっかけにちょこちょこ論文を探してブックマークするようになりましたが、参考までに私の論文の探し方をご紹介します。
特に英語が得意でもなく、普段それほど英文に触れる機会もないです。(つまり英語力は大したことがない!)

「こんなテーマのものを読もう」とキーワードを選ぶ。
たまたまその日に仕事で気になったものなど、難しく考えないでOKです。
1.キーワードを英訳します。(翻訳サイトを活用!)
2.Google Scholar(https://scholar.google.co.jp/)にコピペして検索します。
ここで「英語と日本語のページを検索」ラジオボタンを選択しておきましょう。
3.Google Scholarは論文検索に非常に便利です!期間指定や関連性の並び替えなど条件指定が出来るので、新しいものを探しやすくなっています。
4.目あての論文のリンクに飛び、可能であればフルテキストを表示します。
5.ざっと内容を確認したい時はGoogle chromeブラウザの「日本語に翻訳」または翻訳サイトにコピペします。
6.これで簡単に概要が読めます!
細かい部分は原文に戻って精読すればOKです。思い立ったら通勤時間にすら内容が確認出来てしまいます。

昔は紙に印刷して持ち歩いて…とやっていましたが、今はタブレットでいくらでもダウンロード出来て嵩張らずに持ち歩けますよね。

時代の進化を感じます。

まとめ

論文抄読会に参加して、「こんなに便利な時代になったんだから、もう少し積極的に論文に触れよう」というきっかけを得ました。

ただ参加するだけではなく、毎回自分の中で簡単なテーマを決めて臨もうと思っています。

今度の抄読会では「専門的な内容をいかに専門外の人にわかりやすく伝えられるか」をテーマに、
もう少し医学的な内容のものを選んで準備中です!

みなさんも一緒に(気軽に)論文を読む習慣をつけてみませんか?
豆知識が意外なところで役に立つ時が来る…かもしれません。

もし「面白い!」と思った論文に出会えたら、くまのこ検査技師塾のオンラインサロンでぜひ教えて下さいね!
くまのこ検査技師塾 オンラインサロン

著者:サユコ

一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。


現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。

超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。


現在会員数135名!
臨床検査技師のためのオンラインサロン『くまのこ臨床検査技師塾オンライン』も運営中です。


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