臨床検査技師になるために勉強してどうだった?検査学生の生活を振り返る!#16
こんにちは、臨床検査技師・医療ライターのサユコです。
今日も検査に育児に奮闘しています!
新学期から臨床検査技師になるために進学を控え、情報を調べる方もいらっしゃることと思います。
どんな学生生活が待っているか楽しみ?もしくは緊張しているでしょうか。
「検査は第一志望じゃないけど…」という方もいるかもしれません。実は、私も半ば成り行きで検査学科に進学しました。
今回は、私の学生生活を振り返ってみます。
学校を卒業したのはもう10数年前にもなりますが、「こんな楽しいことがあった」「学生のうちにこれをやっておけばよかった」など、これから学生生活を送る方の参考になる点があれば幸いです。
臨床検査技師になるためのカリキュラムは多岐にわたる!一例の紹介です。
臨床検査技師になるためには、専門学校か大学を卒業して国家試験の受験資格を得る(そして試験に合格する)必要があります。
基本的に専門学校は3年制、大学は4年制です。
専門学校と大学の違いもありますし、大学間でもカリキュラムは多岐に渡ります。
一概には言えない点も多いですが、私が卒業した国立4年制大学についてお話します。
既に卒業した方も「こんなに違うんだ!」と新たな発見があるかもしれません。
もし臨床検査技師を目指して志望校を決めようという方は、カリキュラムをしっかり確認して下さいね!
国立大学の検査学科の実情は?
私が進学したのは国立大学の検査技術学専攻でした。
30人前後と非常にアットホームな環境で、卒業する頃にはクラスの皆と友達の状態です。
当時は第一志望で入学した人が半数くらい、他の学部を志望したものの試験結果が思わしくなくて合格圏内だったので受験した人が半数くらいでした。
現役と浪人も半分ずつくらい、男女比は1:2センターくらいでした。
当時はこれでも「男子が多い学年」と言われていました。
楽しんだもの勝ち!
薬学部や医学部を目指したものの、一歩及ばず仕方なく…という人が一定数いたのは事実です。
私も入学当初は若干やさぐれ気味でした。「どうしても医学部を目指す」といって再受験した同級生もいます。
せっかくの学生生活です。
悔しい思いをした方でも、進学することを決めたなら絶対に楽しむべきです!今なら素直にそう思えます。
1年生の前期には中々気持ちが切り替えられない人もいて「学科内でも溝があるな」というのが正直な印象でした。
でも、2年生になって専門科目ばかりの授業になってからは学科に一体感が生まれてきました。
振り返ると「自分の歩いた道がベストな道である」と思っています。
母校に進学・卒業して良かったです。
学生生活で楽しかったこと
学生生活で楽しかったことは学業もそれ以外にもたくさんあるのですが、学業面のことをお話します。学生ならではの「仲間と一体感をもって乗り越える」ことが楽しかったです。
学科内での班別実習
臨地実習を行う前の学科内実習、これが検査の学生らしいことで一番思い出に残っているものです。
大学2年生になって専門課程に分かれてからは、臨床化学、病理、生理機能、医用工学などを3~6人ずつの班分けで行っていました。
「濃度計算がよくわからない」
「上手く染色されない」
「ありえない実験結果になった…」
など、度重なるハプニングにもめげずに班のメンバーと協力してレポートを完成させました。
もう一度やり直しになると目の前が真っ暗になりますが、班のメンバーと「最悪ー!」と言いながらもワイワイ取り組んだことは本当に楽しかったです。
班のメンバーも固定ではなく、科目によって「五十音順」「誕生日順」「血液型同じ班」「名前の画数多い順」など先生も工夫を凝らしてくれていました。
クラスメイトとの試験対策
定期試験や卒試などは、進級や卒業がかかるので少なからずプレッシャーがありました。
試験範囲も広いですし…。
そんな試験を乗り切るために学科内で協力して試験対策を行い、1年生から通して留年したメンバーなく卒業できました!
それぞれ得意科目についてまとめノートを作る、過去問を入手する、予想問題を作成するなどしていました。
また、国試直前の時期は大学で自習しながら息抜きでお昼を一緒に食べる、近所の神社にお参りしていました。
1人でやると孤独な試験対策も、仲間がいたので励まし合いながら乗り越えられました。
大変には違いないけど、振り返れば一体感があって楽しかったと思えます。
学生生活で大変だったこと
続いて、私が「大変だった」と思ったことです。
「臨地実習が厳しかった」
「卒試が厳しかった」
という人が検査技師仲間に多いのですが、ちょっと別の視点です。
卒業研究
私の出身校では、在学当時4年生の前期に研究室に所属して卒業研究を行っていました。
(ちなみに臨地実習は4年の後期・10~12月までという短さ!)
自分が興味ある研究室に所属するのですが、大変な研究室に入ってしまうと実習よりもキツイ毎日を送らなければいけない状態になります。
私は希望の研究室に入れたものの、先生の指導が情熱的過ぎて相当苦労しました。(大学院進学も視野に入れていましたが、ついていけないと思ってあっさり就職を選ぶことに…)
将来進学を視野に入れている方は、適性を知るためのいいきっかけになると思います。
学業、サークル、アルバイトの両立
実習が増えてくると、その分他のことにかけられる時間は減ります。
私はサークル活動もかなり積極的に取り組んでおり、時間のやりくりに苦労しました。
アルバイトは家庭教師を個人契約で行っていたので割と融通は効いたほうですが、それでも大変でした。「若さで乗り切ったなぁ」と思えますが、体力的には中々きつかったです。
きつかったもののタイムマネジメントの練習になる、といういい面もありました。
「いかに効率的に試験勉強その他をこなすか」という訓練は、社会人・親になってからも認定試験の準備等を行うのに役立っています。
もちろん臨地実習そのものや試験も大変でしたが、「仲間と協力して乗り越える」ということに楽しさを感じながら取り組んでいたように思います。
学生の間にやっておくといいこと
最後に、学生生活を振り返って「やっておいた方がいい」と思ったことをご紹介します。
検査学科以外に友達を作る
学科内の人間関係のみだと視野が狭くなりやすいので、ぜひサークルやアルバイト先などで他の分野の友達を作りましょう!
私は教養科目の授業が同じだった人や、サークルが同じというつながりで学内の他学科の人と友達になりました。
また、サークルがインカレだったので文系学部の人とも友達になれました。
「専門学校で検査の学生しかいないよ」という場合も、アルバイト先などで知り合えるのではないでしょうか。
社会人になっても続けられる趣味を見つける
社会人になると、生活に慣れるまでは職場と家の往復になりがちです。
そんな時に気分転換に趣味を持っているのは大切です。
どんなことでも構わないので、ぜひ自分の好きな趣味を見つけましょう!
試験や実習などで色々忙しくすることはありつつも、学生のうちは社会人よりもフットワーク軽く動けて色々なことに挑戦出来る環境です。
旅行など、学割が効くものもありますよね。
総評:悔いなし!楽しい学生生活だった!
元々は第一志望でもなく「センター試験(現共通テスト)の結果からちょうどいい」という理由で検査技術学専攻を受験・進学した私ですが、振り返ると「楽しかった」の一言に尽きます!
検査学生は実習に試験にやることは色々あれど、仲間がいれば楽しく乗り越えられるものだと思います。
第一志望の学校に進学される方はもちろん、「実は第一志望じゃない」という方へ。
最初はなかなか割り切れないかもしれません。どんな方でも、学生生活を楽しめるかは自分次第です。いつか「この道を選んでよかった」と思える日がきっと来ます!
これから検査学生になる方、現在検査学生の方が充実した生活を送れますよう祈っています。
検査学生の仲間や検査技師として活躍している先輩と交流したい方は、オンラインサロンがおすすめです!色々な分野で活躍している方の話が聞けて、非常に勉強になりますよ。(くまのこ検査技師塾オンラインサロン)
一児の母。
大学の検査技術学専攻を卒業した後、大学病院→個人クリニック→健診施設と勤務。
現在は検査技師かつ医療系ライターとして、フリーで働いています。
超音波検査士(健診領域)を取得したものの、まだまだ勉強中。